行動経済学の超入門的な本を2冊読んで、両方ともわかりやすかったので、感想を残しておきます。
行動経済学とは、経済学と心理学を合わせた学問。
私なりのまとめ方をすると、日常生活の買い物で、買いたいと思う気分についての学問。
「日々の生活のための賢いバイヤー」になるヒントを期待して、本を手に取りました。
社会人になって、後悔する買い物をする回数は減った一方で、「良い買い物」をする目利き能力は身に付いていない気がします。
マイナスを避けるための経験はついたけど、プラスになるモノを見極める力は、まだあまりついてないような気がしてまして。
「マイナスを避ける」というのは、出来るだけ買い物をしなければ、ある程度出来るんですよね。
買い物時に発揮する「審美眼みたいなもの」を持つにはどうすればよいのだろう。
そのヒントがあれば、と思いました。
最初に読んだのは『思わずためしてみたくなる マンガ行動経済学1年生』
漫画でセオリーの一例を紹介
→文章でセオリーを説明
という流れで、とっつきやすく、わかりやすい内容でした。
ほとんど買い物の場面を例にしていて、
賢くない買い物を避けるためのセオリーの話がたっぷり。
個人的にタメになったのは、下記。(日常生活での自分の行動のメモも並記)
「アンカーリング」
:セール品の価値を高く見積もって買ってしまう
「比率バイアス」
:宝くじの当選本数が多いと当たる気がして買ってしまう
「双曲割引」
:〆切があって早く終わらせたいタスクや勉強があっても、話しかけられたらお喋りしてしまう
「現状維持バイアス」
:使ってないサブスクや、スケジュールがギリギリで遅刻ばかりしてしまう習い事の整理・解約をなかなか出来ない
賢い買い物を目指す前に、賢くない買い物を、まだまだしていると気付かされました……。
次に読んだのが『サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学』
こちらの本は、買い物も含んだ日常生活全般の行動を切り口にしていて、扱っているセオリーの量も多め。入門的な内容は一通り網羅しているみたい。
Q&A方式で説明されていて、
日常生活であれ行ってしまうのは、なぜ?
→(行動経済学視点での)答え という流れ。
自分の生活とかけ離れた知識ではなく、日常生活で起こる、あるあるや疑問から話を展開しているので、とても親しみやすい。
また、人によっては、若干ライフハック的な内容もあるかもしれません。
個人的に覚えておきたいな、と思ったのは、下記。
「初頭効果」
「ピークエンドの法則」
(良い印象を残すために大事なものは? →最初と最後が肝心)
:「始めが大事」とか「終わり良ければ総て良し」とか言うけど、心理学に紐づいていたんだなあ…
「確証バイアス」
:自分の考えと一致しているものだけを無意識に選定してしまう自覚があって、これを「確証バイアス」というのだと知った。
「時間的選好」
:『マンガ行動経済学1年生』の「双曲割引」とほぼ同じだけど、人は「今」を重視する、という話。
人は、将来のメリットを過少に、今のメリットを過大に評価してしまうそう。
わかる…。そして、その判断って、結構後悔に繋がっている…。
「損失回避性」
:人は、得より損を重く感じるのだとか。
100円拾ったことを、+1とすると
100円なくしたことを、-2.25に感じるとのこと。
2倍以上。けど、わかる気がする。
あと、この本には、そんな心理を持つ我々人間が、結果を出すためにはどんなアプローチをしたら良いでしょう、というアドバイスも有。
個人的には、
資格の勉強がはかどらない → 小さな目標をつくる
という考え方が実践しやすくて、参考になりました。
最初から「1日1時間勉強しよう」ではなく、「まずは1日1時間机に向かおう」みたいに、ハードルの低い目標から設定していきましょう、という話。
これは、ちょっとずつ、実践中です。
結果が出るのは時間がかかるかもしれないけど、「時間的選好」で先のメリットは低く見積もってしまうので、気長に取り組もうと思います。